1971-05-18 第65回国会 衆議院 社会労働委員会 第26号
職業ガンが発生した染料部門の職歴者という理由で、三菱化成黒崎工場付属病院で集団検診を受けた。尿道から、ぼうこう鏡を突込む、いわゆるぼうこう鏡検査機械に身をさらしたときは、まだ二十七歳。独身だった私にとって、屈辱と恥ずかしさで身がふるえた。検診のとき、初めて薬物障害があると聞かされたが「私に限ってまさか……」の気持だった。検査前、やや尿が近いな、という不安はあっても。
職業ガンが発生した染料部門の職歴者という理由で、三菱化成黒崎工場付属病院で集団検診を受けた。尿道から、ぼうこう鏡を突込む、いわゆるぼうこう鏡検査機械に身をさらしたときは、まだ二十七歳。独身だった私にとって、屈辱と恥ずかしさで身がふるえた。検診のとき、初めて薬物障害があると聞かされたが「私に限ってまさか……」の気持だった。検査前、やや尿が近いな、という不安はあっても。
これが当時の朝日新聞に報道されておりますけれども、それによりますと、三菱化成の黒崎工場と三井東圧の大牟田化学工業所ですか、これの染料部門の従業員で膀胱ガンによる労災保険法の適用者は四十四人、そのうち十名が死んで十六人が治療中だと、この二十六人のうち、一度なおったと認められながらあとで再発した者が十九人だというふうに報告したという記事が出ております。
たとえば、当工場の主力であるコークス部門で発生したコークスガスは、硫安等化学肥料の原料であるアンモニアガスとして利用し、低コスト、高能率の総合肥料工場として操業しているほか、薬品部門、染料部門、合成部門等が相互に密接な関連を保って、総合化学工業を展開しておるのであります。